小児眼科

気づきにくい子供の目の病気には特に注意をはらって観察することが大切です。

疾患

■結膜炎

子供の目の病気で一番多く、原因はウイルスや細菌、アレルギーなど様々です。
よくある病気なので軽く考えがちですが、治療をしないとドライアイなどを引き起こします

不思議と、風邪をひいて2~3日後に結膜炎になる子供が多くいます
抗生物質の点眼などで、早めに炎症を抑えましょう。

■網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)

頻度は少ないものの、小児がんの一種であるため見落とすと失明の恐れがあり、大変危険です。

新生児~2歳くらいまでに眼底の検査を受けましょう。
瞳の色調を見るだけでも異変に気づくこともあります。

■鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)

涙が常にこぼれている状態です。
鼻と目をつなぐ「鼻涙管」に生まれた時からある薄い膜が残っていると涙が逆流してしまいます

片目のみの発症が多いので、お子さまの涙目が気になったら専門医にご相談を。
適切な処置で改善しますが、長く放置していると炎症を起こすおそれもあります

■屈折異常(近視・遠視・乱視)

特に遠視の場合、子供自身で焦点を合わせ、視点の調整を無意識に行っていることが多くあります。
そのため、見えにくいという自覚症状の認識がなく見逃してしまいがちです。

子供の視力が伸びるのは6歳頃までです。
それまでに一度、目の調整を外して素の視力を測る必要があります。
見えていれば問題がないということはなく、誤った視点の調整は視力の成長を妨げることにつながります。

また、近視の進行を抑制する効果があるといわれている0.01%アトロピン点眼も使用しております。

■斜視・弱視(しゃし・じゃくし)

斜視とは黒目がずれている状態のことです。
多くの子供は目が寄っているように見えます。
これは「目の周りの筋肉」や「目の幅」が発達途中にあるからです。
子供はじっとせず、目をキョロキョロさせているので発見が難しく見落としがちな疾患です。
黒目のずれを確認するには、お子さまの写真をとることをおすすめします

斜視の中には「偽斜視」という成長とともに治る斜視もあります。
また、訓練で治るものも。
斜視は放っておくと、目の成長を妨げ、将来弱視になるおそれがあります
もし、お子さまの視点が合っていないと感じたら、なるべく早く専門医にご相談ください。